2035年の浜松市人口は73万人、高齢化率は33%に。公的統計データから読み解く、人口減少・高齢化時代でも繁栄する店舗立地戦略。
目次
- 浜松市の人口動態の現状と将来予測
- 2035年の浜松に起こる3つの人口変化
- 人口動態から逆算する:勝ち残るエリアの条件
- 【エリア別分析】10年後も成長が見込めるエリア
- 【エリア別分析】要注意・撤退検討エリア
- 業態別・ターゲット年齢別の最適立地戦略
- まとめ:人口減少時代の店舗立地5原則
1. 浜松市の人口動態の現状と将来予測
浜松市の人口推移データ
| 年 | 総人口 | 年少人口(0-14歳) | 生産年齢人口(15-64歳) | 老年人口(65歳以上) | 高齢化率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 790,718人 | 101,737人(13%) | 465,944人(59%) | 223,037人(28%) | 28.2% |
| 2025年 | 772,254人 | 90,777人(12%) | 452,614人(59%) | 228,863人(30%) | 29.6% |
| 2030年 | 752,174人 | 81,542人(11%) | 437,236人(58%) | 233,396人(31%) | 31.0% |
| 2035年 | 730,724人 | 77,078人(11%) | 414,501人(57%) | 239,145人(33%) | 32.7% |
| 2040年 | 707,669人 | 75,654人(11%) | 382,159人(54%) | 249,856人(35%) | 35.3% |
| 2050年 | 657,052人 | 69,454人(11%) | 339,253人(52%) | 248,345人(38%) | 37.8% |
出典:浜松市の将来推計人口(2023年推計)、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」
重要な数字:10年後の浜松市
浜松市の人口は、2026年現在の約77.8万人から、2035年には約73万人へと約6万人(7.7%)減少すると予測されています。しかし、より深刻なのは人口構成の変化です。
2020年→2035年の変化:
- 生産年齢人口(15-64歳):465,944人→414,501人(-51,443人、-11.0%)
- 老年人口(65歳以上):223,037人→239,145人(+16,108人、+7.2%)
- 高齢化率:28.2%→32.7%(+4.5ポイント)
出典:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
2. 2035年の浜松に起こる3つの人口変化
変化①:生産年齢人口の急減
購買力の中核である生産年齢人口が5万人以上減少します。
2020年から2035年にかけて、生産年齢人口(15-64歳)は約5万1千人減少します。これは浜松市全体の購買力の低下を意味し、特に平日昼間の消費が減少します。
店舗経営への影響:
- ランチ需要の減少
- オフィス街の衰退加速
- BtoB向けサービス業の縮小
データ根拠:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
変化②:高齢化率33%超え=3人に1人が65歳以上
2035年には、浜松市の高齢化率が32.7%に達し、ほぼ3人に1人が65歳以上となります。さらに、**75歳以上人口は14.3万人(2020年比+23%)**に増加します。
店舗経営への影響:
- シニア向け商品・サービスの需要急増
- 徒歩圏内の小商圏店舗の優位性向上
- 配達・宅配サービスの重要性増大
- バリアフリー対応が必須に
データ根拠:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
参考データ:75歳以上人口の推移
| 年 | 75歳以上人口 | 構成比 |
|---|---|---|
| 2020年 | 116,297人 | 14.7% |
| 2035年 | 142,940人 | 19.6% |
出典:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
変化③:若年層(0-14歳)の減少継続
年少人口(0-14歳)は、2020年の10.2万人から2035年には7.7万人へと約2.5万人(24%)減少します。
店舗経営への影響:
- 子育て世代向けビジネスの縮小
- 学習塾・習い事教室の競争激化
- ファミリー向け飲食店の淘汰
データ根拠:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
3. 人口動態から逆算する:勝ち残るエリアの条件
勝ち残るエリアの5つの条件
条件①:居住人口が維持・増加しているエリア
中心市街地の居住人口データ:
- 2025年:21,744人
- 目標(2031年):24,000人(+2,256人)
出典:浜松市中心市街地活性化基本計画(2025年3月)
中心市街地では、マンション開発により居住人口が増加傾向にあります。一方、郊外の一部地域では人口流出が進んでいます。
店舗立地の鉄則: ✅ マンション建設ラッシュエリアは狙い目 ✅ 住宅地近接の生活密着型店舗が有利 ⚠️ 過疎化進行エリアは撤退検討
条件②:高齢者が「歩いて行ける」立地
2035年には高齢化率が33%に達するため、**徒歩5分圏内(約400m)**が商圏の標準になります。
立地選定の基準:
- 住宅地から徒歩5分以内
- バス停・駅から徒歩3分以内
- 駐車場完備(高齢ドライバー対応)
- バリアフリー設計
条件③:複数世代が共存するエリア
人口構成のバランスが良いエリアの例:
- 佐鳴台・富塚エリア:高級住宅街で富裕層シニア+子育て世代が共存
- 浜北区:若年ファミリー層が多く、高齢化率も低め
出典:浜松市統計情報
条件④:公共交通・道路アクセスが良好
生産年齢人口の減少により、平日昼間の人流が減少します。そのため、広域から集客できる交通利便性が重要です。
優先すべき立地:
- 浜松駅徒歩圏内
- 国道1号浜松バイパス沿い
- 主要幹線道路沿い
条件⑤:市の再開発計画エリアに近い
浜松市は「浜松市中心市街地活性化基本計画(2026年4月~2031年3月)」を策定し、中心市街地の活性化を推進しています。
主要プロジェクト:
- The GATE HAMAMATSUの再整備
- 浜松城公園整備
- 教育機関(常葉大学、浜松調理菓子専門学校)の中心市街地移転
4. 【エリア別分析】10年後も成長が見込めるエリア
【Sランク】浜松駅前(駅北)エリア
人口動態の優位性:
- 中心市街地の居住人口増加(2025年:21,744人)
- 教育機関移転による若年層流入
- 公共施設利用者数目標:180万人(2031年)
出典:浜松市中心市街地活性化基本計画
10年後の展望: ✅ 大学・専門学校移転により若年層人口が増加 ✅ マンション建設により居住人口が微増 ✅ 公共交通利用者が多く、高齢化の影響を受けにくい
おすすめ業態:
- カフェ・コワーキングスペース(大学生ターゲット)
- 医療・介護関連サービス(高齢者ターゲット)
- 飲食店(多世代対応)
【Aランク】佐鳴台・富塚エリア
人口動態の優位性:
- 富裕層シニアが多く、購買力が高い
- 子育て世代も流入しており、人口減少の影響が小さい
10年後の展望: ✅ 高齢化率は上昇するが、富裕層が中心のため購買力維持 ✅ 地域密着型店舗の需要継続 ✅ シニア向け高単価サービスの市場拡大
おすすめ業態:
- 高級スーパー・ベーカリー
- 美容・エステサロン
- 医療・介護サービス
- 学習塾(富裕層の孫世代需要)
【Aランク】浜松バイパス沿い(高塚・増楽)エリア
人口動態の優位性:
- 広域商圏(浜松市全域)からの集客が可能
- 車社会の浜松では、高齢ドライバーの利用も見込める
10年後の展望: ✅ 市全体の人口減少の影響を受けるが、広域集客でカバー可能 ✅ 大型駐車場完備の店舗は高齢者にも利用しやすい ✅ 配送拠点としての優位性(EC時代の物流拠点)
おすすめ業態:
- 大型飲食店(ファミレス・焼肉・ラーメン)
- ホームセンター・家電量販店
- フィットネスクラブ
- 物流・配送拠点
5. 【エリア別分析】要注意・撤退検討エリア
【要注意】天竜区
人口動態の深刻度:
- 2020年:26,726人 → 2050年:11,535人(▲57%)
- 高齢化率:2020年45.9% → 2050年58.3%
出典:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
店舗経営へのリスク: ⚠️ 商圏人口が半減以下 ⚠️ 高齢化率が60%に迫り、購買力が大幅低下 ⚠️ 若年層がほぼゼロ(後継者不在)
対応策:
- 新規出店は避ける
- 既存店舗は「観光客特化」または「通販・配送強化」へ転換
- 地域の補助金・支援制度の活用
【要注意】旧市街地の一部(有楽街・田町)
人口動態の課題:
- 居住人口は少なく、昼間人口依存
- 生産年齢人口減少により、平日昼間の集客力低下
店舗経営へのリスク: ⚠️ 競合過多(飲食店密集地) ⚠️ 平日ランチ需要の減少 ⚠️ 駐車場確保困難(高齢者アクセス悪い)
対応策:
- 夜間営業・イベント連動型ビジネスへシフト
- 明確な差別化戦略(唯一無二のコンセプト)
- デリバリー・テイクアウト強化
6. 業態別・ターゲット年齢別の最適立地戦略
【シニア向けビジネス(65歳以上)】
市場規模:
- 2020年:223,037人(28.2%)
- 2035年:239,145人(32.7%)
- +16,108人(+7.2%)
出典:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
最適立地: ✅ 住宅地徒歩圏内(佐鳴台、浜北住宅地) ✅ 浜松駅周辺(公共交通利用) ✅ バイパス沿い(駐車場完備)
おすすめ業態:
- 医療・介護サービス
- 配食サービス
- リフォーム・修繕業
- 終活関連サービス
- シニア向けフィットネス
【ファミリー向けビジネス(0-14歳の子育て世代)】
市場規模:
- 2020年:101,737人(13%)
- 2035年:77,078人(11%)
- ▲24,659人(-24%)
出典:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
最適立地: ⚠️ 市場縮小のため、新規出店は慎重に ✅ 富裕層エリア(佐鳴台)→単価を上げて対応 ✅ 中心市街地(大学移転で若年層増加)
おすすめ業態:
- 高単価学習塾・習い事教室
- 子ども向けプログラミング教室
- インドア遊戯施設(天候に左右されない)
【生産年齢人口向けビジネス(15-64歳)】
市場規模:
- 2020年:465,944人(59%)
- 2035年:414,501人(57%)
- ▲51,443人(-11%)
出典:浜松市の将来推計人口(2023年推計)
最適立地: ⚠️ 市場縮小のため、広域商圏確保が必須 ✅ 浜松駅前(公共交通利用者) ✅ バイパス沿い(広域集客) ✅ オンライン併用型ビジネスモデル
おすすめ業態:
- コワーキングスペース(副業・フリーランス需要)
- フィットネスクラブ
- 飲食店(差別化必須)
- オンライン併用型小売
7. まとめ:人口減少時代の店舗立地5原則
原則①:「人口総数」ではなく「ターゲット人口」で判断する
総人口は減少しても、65歳以上人口は2035年まで増加します。ターゲット年齢層の人口動態を必ず確認しましょう。
原則②:「徒歩5分圏内」が新たな商圏標準
高齢化率33%の時代、徒歩5分圏内(約400m)が商圏の標準になります。車依存だけでは生き残れません。
原則③:「複数世代対応」で市場縮小をカバー
単一世代ターゲットでは市場縮小の影響をモロに受けます。複数世代に対応できる業態・商品ラインナップが必須です。
原則④:「再開発エリア」を検討する
浜松市の中心市街地活性化計画は2031年までの5年間です。公的投資が入るエリアは民間投資も集まり、人口流入が見込めます。
原則⑤:「10年後の撤退計画」も検討する
2035年以降、さらに人口減少・高齢化が加速します。10年後の撤退・業態転換を前提にした出店計画を立てましょう。
浜松テナントに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 浜松市の人口は今後どのくらい減少しますか?
A. 国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2026年現在の約77.8万人から、2035年には約73万人(▲6%)、2050年には約65.7万人(▲16%)に減少すると予測されています。
Q2. 高齢化率が33%になると、店舗経営にどのような影響がありますか?
A. シニア向け商品・サービスの需要が急増する一方、若年層向けビジネスは縮小します。徒歩圏内の小商圏店舗、配達・宅配サービス、バリアフリー対応が必須になります。
Q3. 人口が減少しても成長が見込めるエリアはありますか?
A. はい。浜松駅前の中心市街地は、マンション建設や教育機関移転により居住人口が増加傾向です。また、富裕層が多い佐鳴台・富塚エリアは、高齢化しても購買力が維持される見込みです。
Q4. 天竜区での出店は避けるべきですか?
A. 天竜区は2050年までに人口が57%減少し、高齢化率が58%に達する予測です。新規出店は慎重に検討し、既存店舗は観光客特化または通販強化への転換をおすすめします。
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【データ出典一覧】
- 浜松市の将来推計人口(2023年推計):https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/166622/04.pdf
- 国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」
- 浜松市やらまいか人口ビジョン(令和2年改訂版):https://www.hamamatsu2050.com/pdf/top-1.pdf
- 浜松市中心市街地活性化基本計画(2025年3月):https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/sangyoshinko/conference/270122.html
- 浜松市統計情報:https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/gyousei/library/index.html
このコラムは、浜松市および国の公的統計データに基づき作成しています。将来推計は一定の前提条件に基づくものであり、実際の人口動態は経済状況や政策により変動する可能性があります。