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【浜松 テナント】造作譲渡とは?|居抜き物件の売買交渉で知っておくべき基礎知識

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2026/04/06

【浜松 テナント】造作譲渡とは?|居抜き物件の売買交渉で知っておくべき基礎知識

浜松でテナントの居抜き物件を検討中の方向けに、造作譲渡の仕組み・対象物・契約の流れ・トラブル防止策を解説。造作譲渡料の相場感、減価償却の考え方、リース品の扱い、原状回復義務の引き継ぎ、オーナーの承諾の必要性まで、借りる側・退去する側・オーナーの三者の視点で実務的に紹介します。

【浜松 テナント】造作譲渡とは?|居抜き物件の売買交渉で知っておくべき基礎知識
居抜き物件の内装設備が残されたテナント店舗のイメージ

【浜松 テナント】造作譲渡とは?|居抜き物件を借りる・退去するときに知っておくべき基礎知識

浜松でテナント物件を探していると、「居抜き物件・造作譲渡あり」という募集を目にすることがあります。

造作譲渡とは、前のテナントが設置した内装や設備を次のテナントに譲渡する取引のことです。うまく活用すれば、借りる側は初期費用を大幅に抑えられ、退去する側は原状回復費を削減できる——双方にメリットのある仕組みです。

しかし、造作譲渡は賃貸借契約とは別の契約であるため、リース品の扱いや原状回復義務の引き継ぎ、貸主(オーナー)の承諾など、知らないまま進めるとトラブルにつながるポイントが複数あります。

本記事では、浜松のテナント市場で造作譲渡に関わるすべての立場(借りたい側・退去する側・オーナー)に向けて、造作譲渡の仕組み・交渉の流れ・トラブル防止策を実務レベルで解説します。

📋 この記事でわかること

✅ 造作譲渡の定義と対象になるもの・ならないもの
✅ 借りる側・退去する側・オーナーそれぞれのメリットとリスク
✅ 造作譲渡料の相場感と減価償却の考え方
✅ 造作譲渡契約の流れと契約書に盛り込むべき項目
✅ リース品・原状回復義務など、トラブルになりやすい5つのポイント
✅ 貸主(オーナー)の承諾が必要な理由と実務上の対応
目次

1. 造作譲渡とは|賃貸借契約との違い
2. 造作譲渡の対象になるもの・ならないもの
3. 三者それぞれのメリットとリスク
4. 造作譲渡料の相場と減価償却の考え方
5. 造作譲渡の流れ|契約から引き渡しまでの手順
6. 造作譲渡契約書に盛り込むべき項目
7. トラブルになりやすい5つのポイントと防止策
8. オーナーが造作譲渡を承諾する際のチェックポイント
9. まとめ|造作譲渡は「三者の合意」で成り立つ取引
よくある質問(FAQ)

🔹 1. 造作譲渡とは|賃貸借契約との違い

造作譲渡とは、テナント内の内装・設備・什器などの「造作物」を、現在の借り手(退去する側)から次の借り手(入居する側)へ譲渡する取引です。

ここで重要なのは、造作譲渡契約は賃貸借契約とは別の契約であるという点です。

契約の種類 当事者 対象
賃貸借契約 物件オーナー ↔ 新テナント 物件(建物・区画)の賃貸
造作譲渡契約 現テナント(退去する側)↔ 新テナント(入居する側) 内装・設備・什器などの造作物

つまり、居抜き物件に入居する場合は「賃貸借契約」と「造作譲渡契約」の2つの契約を同時に進める」ことになります。どちらか一方だけでは取引は成立しません。

💡 POINT

造作譲渡が成立しても、物件オーナーとの賃貸借契約が成立しなければ入居はできません。逆に、賃貸借契約が成立しても、造作譲渡の条件が折り合わなければ内装・設備は引き継げません。両方の契約を並行して調整することが重要です。

🔹 2. 造作譲渡の対象になるもの・ならないもの

造作譲渡の対象は、現テナントが自ら設置・購入した設備や内装です。物件に最初から付帯している設備(オーナーの所有物)は対象外です。

◯ 造作譲渡の対象になりやすいもの

・厨房機器(ガス台、シンク、冷蔵庫、製氷機など)
・カウンター、テーブル、椅子
・間仕切り壁、内装の仕上げ(壁紙・床材)
・照明器具
・エアコン(テナントが設置したもの)
・看板
・音響設備
・レジ台、棚、収納
✕ 造作譲渡の対象にならないもの

・建物の構造部分(柱・梁・外壁)
・物件オーナーが設置したエアコン・トイレ等
・リース契約中の設備(所有権がリース会社にある)
・容易に移動できる調理器具・食器・消耗品
・建物の共用設備(エレベーター・共用トイレ等)
💡 POINT

最もトラブルが多いのが「誰の所有物か」の認識違いです。たとえばエアコンは、テナントが設置したものならば造作譲渡の対象ですが、物件に最初から付帯していたものはオーナーの所有物です。内見時に「付いていた」からといって譲渡対象だとは限りません。「付帯設備表」を作成し、各設備の所有者を明確にしておくことがトラブル防止の基本です。

🔹 3. 三者それぞれのメリットとリスク

造作譲渡には、借りたい側・退去する側・オーナーの三者が関わります。それぞれの立場でのメリットとリスクを整理します。

■ 借りたい側(新テナント)

◯ メリット

・内装工事費を大幅に削減できる
・開業までの期間を短縮できる
・同業種の場合、そのまま営業開始も可能
✕ リスク

・設備の老朽化・故障リスクを引き受ける
原状回復義務を引き継ぐ(将来退去時にスケルトン戻しの可能性)
・リース品が混在していると所有権トラブルに

■ 退去する側(現テナント)

◯ メリット

・原状回復(スケルトン戻し)費用を削減できる
・造作譲渡料として収入を得られる可能性
・退去までの期間を短縮できることがある
✕ リスク

・希望価格で売れるとは限らない
オーナーの承諾が得られないと造作譲渡ができない
・設備の不具合で引き渡し後にクレームが来る可能性

■ オーナー(物件所有者)

◯ メリット

・空室期間を短縮できる
・次のテナントが決まりやすくなる
・設備が残っていると募集時のアピール材料になる
✕ リスク

・造作物の老朽化によるトラブルに巻き込まれる可能性
原状回復義務の所在が曖昧になるリスク
・繰り返しの居抜き売買で物件の「原状」が不明確に

🔹 4. 造作譲渡料の相場と減価償却の考え方

造作譲渡料に「決まった相場」はありません。設備の種類・状態・使用年数・業種・立地によって大きく異なり、数万円〜数百万円と幅があります。

■ 業種別の造作譲渡料の目安

業種 造作譲渡料の目安 備考
飲食店(小規模・10坪前後) 50〜200万円 厨房設備が高額。使用年数で大きく変動
飲食店(中規模・20〜30坪) 100〜500万円 重飲食はダクト・排気設備の価値が大きい
美容室・サロン 50〜300万円 シャンプー台・給排水設備の状態が価格を左右
物販・事務所 0〜100万円 設備が少ないため、無償譲渡のケースも多い

■ 減価償却の考え方

造作譲渡料が適正かどうかを判断する基準のひとつが減価償却です。設備には法定耐用年数が定められており、使用年数が長いほど帳簿上の価値(残存価額)は下がります。

例)厨房設備(法定耐用年数8年)を200万円で購入し、5年使用した場合

年間償却額:200万円 ÷ 8年 = 25万円
5年後の残存価額:200万円 −(25万円 × 5年)= 75万円

→ この設備の造作譲渡料として「100万円」を提示された場合、帳簿上の残存価額を上回っているため、交渉の余地があるといえます。

ただし、減価償却はあくまで帳簿上の計算であり、実際の市場価値とは異なります。設備が良好な状態であれば帳簿価額以上で取引されることもありますし、逆に故障リスクが高ければ無償譲渡になることもあります。


🔹 5. 造作譲渡の流れ|契約から引き渡しまでの手順

ステップ 当事者 注意点
1 退去する側がオーナーに居抜き退去の承諾を得る 退去側 → オーナー 書面で承諾を取得。口頭だけでは不十分
2 退去する側が造作物リストを作成 退去側 設備ごとに所有者・リース品の有無・状態を明記
3 退去側と入居側で造作譲渡の金額・条件を交渉 退去側 ↔ 入居側 現地で全設備を指差し確認しながら行うのが理想
4 オーナーと入居側で賃貸借契約を締結 オーナー ↔ 入居側 使用目的・業種制限・原状回復条件を確認
5 退去側と入居側で造作譲渡契約を締結 退去側 ↔ 入居側 賃貸借契約と同時に締結するのが原則
6 造作物の引き渡し・鍵の受け渡し 退去側 → 入居側 引き渡し時に動作確認。不具合があればこの時点で対応
💡 POINT

ステップ4(賃貸借契約)とステップ5(造作譲渡契約)は同時に締結するのが原則です。造作譲渡だけ先に契約しても、賃貸借契約が成立しなければ入居できません。どちらかだけを先に確定させると、後で条件が折り合わなかったときにトラブルになります。

🔹 6. 造作譲渡契約書に盛り込むべき項目

造作譲渡契約書は、トラブル防止のために以下の項目を漏れなく明記してください。

項目 記載すべき内容
造作物リスト 設備名・数量・状態(良好/不良)・所有者(テナント/オーナー/リース会社)を一品ごとに明記
造作譲渡料 総額および内訳(設備ごとの単価があると減価償却の計上に使える)
支払い方法・期日 一括/分割、振込先、支払い期限を明記
引き渡し期日・条件 引き渡し日、引き渡し時の物件の状態(清掃の有無等)
貸主の承諾 物件オーナーが居抜きでの退去・造作譲渡を承諾している旨を明記
原状回復義務の引き継ぎ 将来の退去時に新テナントが原状回復義務を負う旨を明記
リース品の扱い リース品がある場合、リース会社への確認済みであること、リース契約の引き継ぎ or 撤去の取り決め
契約不適合責任 引き渡し後に故障・不具合が判明した場合の責任の所在と期限
契約解除条件・違約金 キャンセル時の違約金、賃貸借契約が不成立の場合の扱い

なお、造作譲渡契約書は固定資産の計上根拠にもなるため、設備ごとの金額を内訳で記載しておくと、入居側が減価償却を行う際にスムーズです。


🔹 7. トラブルになりやすい5つのポイントと防止策

No. トラブルの内容 防止策
1 リース品を造作譲渡してしまった 造作物リスト作成時にリース品を明確に分離。リース会社への確認を必ず行う
2 設備の故障・不具合が引き渡し後に判明 引き渡し時に全設備の動作確認を実施。契約不適合責任の期限を契約書に明記
3 オーナーの承諾を得ずに造作譲渡を進めた 造作譲渡の交渉開始前にオーナーの書面承諾を取得。賃貸借契約には原状回復義務が記載されており、無断の造作譲渡は契約違反になる
4 原状回復義務の認識がずれている 新テナントが将来退去する際の原状回復範囲(スケルトン戻しなのか、造作付きで返すのか)を契約書に明記。施工時の図面も保管しておく
5 譲渡対象物の認識違い 造作物リストに加え「付帯設備表」を作成。各設備が「テナント所有/オーナー所有/リース」のどれに該当するかを一品ずつ明記

🔹 8. オーナーが造作譲渡を承諾する際のチェックポイント

物件オーナーの立場で造作譲渡を承諾する場合、以下のポイントを確認してください。

☑ 新テナントの業種・信用力は問題ないか
 → 造作譲渡の承諾は、新テナントの入居審査を兼ねています。業種・信用力を慎重に判断

☑ 原状回復義務が新テナントに正しく引き継がれるか
 → 新テナントとの賃貸借契約に原状回復条件を明記。将来の退去時にスケルトン戻しを求められるか確認

☑ 造作物の老朽化が建物に悪影響を与えないか
 → 特に給排水設備やガス設備が老朽化している場合、漏水・火災リスクを評価。必要に応じて設備の更新を条件にする

☑ 造作譲渡契約書にオーナーの免責条項があるか
 → 「造作物に関する責任はオーナーは負わない」旨を賃貸借契約に明記

テナント管理会社に管理を委託している場合は、管理会社と連携して新テナントの審査と造作譲渡の条件確認を進めてください。管理会社の選び方については「賃貸管理会社の選び方」を参考にしてください。


🔹 9. まとめ|造作譲渡は「三者の合意」で成り立つ取引

☑ 造作譲渡は賃貸借契約とは別の契約。両方を同時に進めることが原則

☑ 対象物の確認:テナント所有物・オーナー所有物・リース品を明確に分離

☑ オーナーの書面承諾は必須。無断の造作譲渡は賃貸借契約違反になりうる

☑ 造作譲渡料に決まった相場はない。減価償却をベースに交渉し、現物の状態を確認

☑ 原状回復義務の引き継ぎを明記。将来の退去時にどこまで戻すかを契約書に記載

☑ リース品の混在に注意。リース会社への確認なしに譲渡すると所有権トラブルに

☑ 契約書に全項目を明記。口約束は必ずトラブルの原因になる

造作譲渡は、借りたい側・退去する側・オーナーの三者全員がメリットを得られる取引です。ただし、それは三者の合意と適切な契約書があってこそ成り立ちます。不明点は不動産会社に相談し、契約書の作成は専門家のサポートを受けることをおすすめします。

居抜き物件の造作譲渡に関するご相談は、不動産のIMAEDAまでお気軽にどうぞ。

借りたい方・退去をお考えの方・オーナー様、いずれの立場でもサポートいたします。

▶ お問い合わせはこちら

🔹 よくある質問(FAQ)

Q. 造作譲渡料を0円(無償譲渡)にすることはできますか?
可能です。退去する側にとっては、原状回復費(スケルトン戻し)を節約できるだけでも大きなメリットになるため、造作譲渡料を0円にしてでも居抜きで退去したいというケースは少なくありません。特に設備が老朽化している場合や、閉店を急いでいる場合は、無償譲渡が現実的な選択肢になります。
Q. オーナーが造作譲渡を認めてくれない場合はどうすればよいですか?
多くの賃貸借契約では原状回復(スケルトン戻し)が義務づけられているため、オーナーの承諾がなければ造作譲渡はできません。オーナーが懸念するのは、新テナントの信用力や設備の老朽化リスクが多いため、「原状回復義務は新テナントが引き継ぐ」「造作物の責任はオーナーは負わない」といった条件を提示することで承諾を得られるケースがあります。不動産会社に仲介を依頼するのも有効です。
Q. 造作譲渡で引き継いだ設備が壊れた場合、誰が修理費を負担しますか?
造作譲渡は原則として「現状引き渡し」です。引き渡し後に判明した不具合については、造作譲渡契約書に契約不適合責任の条項がなければ、基本的に新テナントの負担になります。引き渡し前に全設備の動作確認を行い、不具合の有無を付帯設備表に記載しておくことが最大の防止策です。2020年4月の民法改正により、旧来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に変更されています。
Q. 居抜き物件を引き継いだ場合、営業許可はそのまま使えますか?
使えません。営業許可は事業者ごとに取得するものであるため、飲食店・美容室などの許認可が必要な業種では、前テナントの設備をそのまま使っても新たに営業許可を取り直す必要があります。保健所の基準が変わっている可能性もあるため、設備をそのまま使えるかどうかも含めて事前に保健所に相談してください。
Q. 造作譲渡料は経費として計上できますか?
造作譲渡料で取得した設備は、固定資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却するのが原則です。造作譲渡契約書に設備ごとの内訳金額が記載されていると、個別に耐用年数を設定して減価償却できます。詳細は税理士にご相談ください。