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【浜松 テナント】テナント契約における火災保険・施設賠償保険の選び方|借りる側・オーナー側それぞれの備え

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2026/05/17

【浜松 テナント】テナント契約における火災保険・施設賠償保険の選び方|借りる側・オーナー側それぞれの備え

浜松でテナントを借りる方・物件オーナー向けに、テナント契約における火災保険・借家人賠償責任保険・施設賠償責任保険の違いと選び方を解説。失火責任法の基礎知識、業種別の注意ポイント、保険料の費用目安、保険に関するチェックリストまで実務的に紹介します。

【浜松 テナント】テナント契約における火災保険・施設賠償保険の選び方|借りる側・オーナー側それぞれの備え
「テナント物件の保険証券と契約書類を確認するイメージ」

【浜松 テナント】テナント契約における火災保険・施設賠償保険の選び方|借りる側・オーナー側それぞれの備え

テナントを借りる際、多くの賃貸借契約で「火災保険への加入」が条件になっています。しかし、テナント物件で必要な保険は「火災保険」だけではありません。

事業用テナントでは、火災保険・借家人賠償責任保険・施設賠償責任保険の3つを正しく理解し、自分の立場(借りる側かオーナーか)に合った保険を選ぶ必要があります。特に飲食店や美容室のように、火災・水漏れ・来客への事故リスクが高い業種では、保険の選び方が事業の存続を左右することもあります。

本記事では、テナント契約における保険の種類・補償範囲・費用の目安を、借りる側とオーナー側それぞれの視点で整理します。

📋 この記事でわかること

✅ テナント契約で関わる保険の全体像(3つの保険の違い)
✅ 借りる側が加入すべき保険と補償範囲
✅ オーナー側が加入すべき保険と補償範囲
✅ 業種別に必要な保険の考え方(飲食店・美容室・オフィス等)
✅ 保険料の費用目安
✅ 失火責任法の基礎知識と「重過失」の判断基準
目次

1. テナント契約で関わる3つの保険の全体像
2.【借りる側】加入すべき保険と補償範囲
3.【オーナー側】加入すべき保険と補償範囲
4. 失火責任法とは|火事を起こしても賠償しなくていい?
5. 業種別に注意すべき保険のポイント
6. 保険料の費用目安と節約のコツ
7. テナント契約時の保険に関するチェックリスト
8. まとめ|保険は「もしも」の備えであり、事業を守る投資
よくある質問(FAQ)

🔹 1. テナント契約で関わる3つの保険の全体像

テナント契約で必要になる保険は、大きく分けて3種類あります。それぞれ補償の対象と加入者が異なるため、まず全体像を把握してください。

保険の種類 何を補償するか 誰が加入するか 具体例
火災保険(家財・什器備品保険) 自分の財産(什器備品・在庫・内装)の損害 借りる側 火災で厨房機器や在庫が焼失した場合の再調達費用
借家人賠償責任保険 借りている物件(オーナーの建物)への損害賠償 借りる側 テナント内の火災で壁・床・天井を損傷させた場合のオーナーへの賠償
施設賠償責任保険 施設の利用者(来客・通行人)への損害賠償 借りる側またはオーナー 店内でお客様が転倒してケガをした場合の治療費・慰謝料
💡 POINT

多くのテナント賃貸借契約では、借りる側に「火災保険」と「借家人賠償責任保険」への加入が義務づけられています。しかし「施設賠償責任保険」は義務づけていない契約も多く、見落とされがちです。来客のある業種では、施設賠償責任保険への加入を強くおすすめします。

🔹 2.【借りる側】加入すべき保険と補償範囲

■ ① 火災保険(什器備品保険)

テナント内の自分の財産(什器備品・在庫・内装造作)が火災・風災・水災・盗難等で損害を受けた場合に補償される保険です。

補償対象の例:
什器備品(机・椅子・厨房機器・パソコン等)、在庫商品、内装造作(間仕切り・照明・床材等のうちテナントが投資したもの)

補償されないもの:
建物そのもの(これはオーナーの保険の対象)、現金・有価証券(特約が必要)、自動車

■ ② 借家人賠償責任保険

テナントの過失で建物(オーナーの所有物)に損害を与えた場合の賠償責任をカバーする保険です。火災保険の特約として付帯されるのが一般的です。

補償対象の例:
テナント内の火災でビルの壁・床・天井を損傷させた場合の修復費用、水漏れで階下のテナントや建物に損害を与えた場合の賠償

なぜ必要か:
賃貸借契約に基づく原状回復義務は、火災による損傷にも及びます。借家人賠償がなければ、火災後の修繕費を全額自己負担することになります

■ ③ 施設賠償責任保険

来客・通行人など第三者に対する損害賠償をカバーする保険です。

補償対象の例:
店内の床が濡れていてお客様が転倒しケガをした、看板が落下して通行人にケガをさせた、飲食店で食中毒が発生した(PL保険・食中毒特約が必要な場合あり)

なぜ必要か:
賠償額が数百万〜数千万円に達するケースもあり、保険なしでは事業の存続が危うくなります

🔹 3.【オーナー側】加入すべき保険と補償範囲

オーナーは建物の所有者として、以下の保険に加入しておく必要があります。

保険の種類 補償内容 ポイント
建物の火災保険 建物の構造体(壁・屋根・柱等)の損害 テナントの什器備品は対象外。建物の再調達価額で保険金額を設定
施設賠償責任保険 建物の共用部(エントランス・廊下・階段・駐車場等)で第三者に損害を与えた場合 階段の手すりが壊れて来訪者がケガをした等のケースに対応
賃料損失保険(家賃補償特約) 火災等でテナントが使用不能になった期間の賃料損失 復旧期間中の家賃収入がゼロになるリスクをカバー
💡 POINT

オーナーの建物火災保険とテナントの借家人賠償は補償の対象が重なる場合があります。たとえばテナントの失火でビルの壁が焼損した場合、オーナーの建物保険からも、テナントの借家人賠償保険からも補償を受けられます。ただし、テナントの保険だけに頼ってオーナーが建物保険に入らないのは危険です。テナントが無保険だった場合、または保険金額が不足していた場合に備え、オーナー自身の保険は必ず加入してください。

🔹 4. 失火責任法とは|火事を起こしても賠償しなくていい?

日本には「失火責任法」(失火ノ責任ニ関スル法律、明治32年制定)という法律があり、「失火者に重大な過失がなければ、火災による損害賠償責任を負わない」と定めています。

つまり、テナントの火災で隣のテナントや建物に延焼しても、重過失がなければ損害賠償を請求されないのが原則です。

項目 内容
失火責任法の適用範囲 不法行為(民法709条)による賠償請求には適用される。つまり、隣人への延焼被害は「重過失」がなければ賠償不要
適用されない場面 賃貸借契約上の債務不履行(善管注意義務違反)には適用されない。つまり、オーナーに対する借家人としての賠償責任は免除されない
「重過失」の例 天ぷら油を火にかけたまま長時間離れた、寝たばこ等。裁判例で個別に判断される
💡 POINT

失火責任法のポイントは、「隣人への延焼被害の賠償は免除されても、オーナーへの賠償は免除されない」ということです。テナントの失火で建物を損傷した場合、善管注意義務違反としてオーナーから損害賠償を請求される可能性があります。だからこそ、借家人賠償責任保険は必須なのです。

🔹 5. 業種別に注意すべき保険のポイント

業種 特に注意すべき保険 理由・補足
飲食店 借家人賠償+施設賠償+食中毒特約(PL保険) 火災リスクが高い。食中毒の賠償は施設賠償だけでは不足する場合があり、PL保険(生産物賠償責任保険)の付帯を検討
美容室・サロン 施設賠償+借家人賠償 薬剤によるアレルギー事故、シャンプー台での転倒リスク。水漏れで階下に損害を与えるリスクも
クリニック・整骨院 施設賠償+医師賠償責任保険 施設賠償と別に、医療行為に関する賠償責任保険(医賠責)が必要
オフィス・士業 火災保険+借家人賠償 来客リスクが比較的低い。パソコン・サーバー等の精密機器の補償額を適切に設定
学習塾・スクール 施設賠償+借家人賠償 子どもが施設内でケガをするリスク。保護者からの賠償請求に備えて施設賠償は必須

🔹 6. 保険料の費用目安と節約のコツ

■ 借りる側の保険料目安

保険の種類 年間保険料の目安 備考
火災保険(什器備品500〜1,000万円の場合) 2〜5万円/年 建物の構造(鉄骨/木造)・面積で変動
借家人賠償責任保険(1,000〜3,000万円) 5,000〜15,000円/年 火災保険の特約として付帯するのが一般的
施設賠償責任保険(対人1億円/対物1,000万円) 1〜3万円/年 業種・売上規模・来客数で変動

■ 節約のコツ

☑ 火災保険+借家人賠償+施設賠償をセットで契約
 → 別々に契約するより、パッケージ商品の方が割安になることが多い

☑ 保険金額を適正に設定する
 → 什器備品の価額を過大に設定すると保険料が無駄に高くなる。実際の再調達価額に基づいて設定

☑ 長期契約で割引を受ける
 → 2年契約・5年契約にすることで年間保険料が割引されるケースがある

☑ 複数の保険会社から見積もりを取る
 → 同じ補償内容でも保険会社によって保険料が異なる。代理店に依頼すれば複数社の比較ができる

🔹 7. テナント契約時の保険に関するチェックリスト

立場 チェック項目
借りる側 賃貸借契約で指定されている保険の種類と保険金額を確認
火災保険の什器備品保険金額が実際の什器備品・在庫の価額に見合っているか確認
借家人賠償責任保険が付帯されているか確認(火災保険とは別の補償)
来客のある業種では施設賠償責任保険の加入を検討
オーナー側 建物の火災保険の保険金額が再調達価額に見合っているか確認
賃料損失保険(家賃補償特約)の付帯を検討
テナントの保険加入状況を契約時に確認し、保険証券の写しを取得する

🔹 8. まとめ|保険は「もしも」の備えであり、事業を守る投資

【借りる側のまとめ】
☑ 火災保険(什器備品保険):自分の財産を守る保険。什器・在庫・内装造作が対象
☑ 借家人賠償責任保険:オーナーの建物に損害を与えた場合の賠償をカバー。必須
☑ 施設賠償責任保険:来客・第三者への賠償をカバー。来客のある業種は必須
☑ 失火責任法:隣人への延焼は重過失がなければ免除。ただしオーナーへの賠償は免除されない

【オーナー側のまとめ】
☑ 建物の火災保険:建物の構造体を補償。テナントの保険だけに頼らない
☑ 施設賠償責任保険:共用部での事故に備える
☑ 賃料損失保険:火災で賃料収入がゼロになるリスクをカバー
☑ テナントの保険加入状況を契約時に確認。保険証券の写しを取得
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🔹よくある質問(FAQ)

Q. テナント契約で火災保険への加入は義務ですか?
法律上の義務ではありませんが、ほとんどのテナント賃貸借契約では火災保険への加入が契約条件として定められています。保険に加入しないと契約が締結できないケースがほとんどです。仮に契約上の義務がなくても、万一の火災で什器備品や内装が全損した場合の損害を考えれば、加入しない選択肢はおすすめできません。
Q. 隣のテナントの火災でうちの什器が被害を受けた場合、隣のテナントに賠償請求できますか?
失火責任法により、隣のテナントに重大な過失がなければ賠償請求はできません。つまり、もらい火の被害は自分の火災保険で対応するしかないのが日本の法制度です。だからこそ、自分自身の什器備品に対する火災保険への加入が重要になります。
Q. 保険はオーナーが指定する保険会社で加入する必要がありますか?
契約によって異なります。オーナーや管理会社が特定の保険会社を指定しているケースと、借り手が自由に選べるケースがあります。指定がある場合はそれに従いますが、自由に選べる場合は複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容と保険料を比較して選ぶことをおすすめします。
Q. 地震保険はテナントでも必要ですか?
火災保険だけでは地震・噴火・津波による損害は補償されません。地震保険は火災保険に付帯する形で契約できます。浜松は南海トラフ地震の想定エリアに含まれるため、什器備品や在庫の価額が大きい業種では地震保険の付帯を検討する価値があります。ただし、地震保険は火災保険の保険金額の30〜50%が上限である点に注意してください。
Q. 開業前の内装工事期間中も保険は必要ですか?
はい。内装工事期間中は工事業者が「建設工事保険」に加入しているのが一般的ですが、カバーされない損害もあります。賃貸借契約の開始日から火災保険の補償が始まるよう設定してください。内装工事で搬入した什器備品が火災や盗難で損害を受けた場合に備えるためです。